情報量の定義: シャノンエントロピーの解説

情報量(Information Quantity)は、情報理論(Information Theory)の概念の一部であり、特定の情報が含まれている程度やその情報の不確かさを表す尺度です。情報理論は、通信、データ圧縮、暗号化、統計学などのさまざまな領域で重要な役割を果たしています。

情報理論における情報量

情報量は、一般的に次のような要素に依存します。

  • イベントの予測の難しさ:情報量は、特定のイベントが予測しにくいほど高くなります。例えば、コイントスの結果を予測することは容易であり、情報量は低いですが、サイコロの出目を予測することは難しく、情報量は高くなります。
  • 確率:情報量は、特定のイベントが発生する確率にも関連しています。低確率のイベントほど、その情報が高い価値を持つと言えます。例えば、突然の奇跡的な出来事の報告は、低確率な出来事を示す可能性が高く、情報量が高いと言えます。

シャノンエントロピー

情報量を数学的に表現するためには、通常、シャノンエントロピー(Shannon Entropy)という概念が使用されます。シャノンエントロピーは、情報の確率分布に基づいて情報量を計算するための数学的な方法です。以下は、シャノンエントロピーの一般的な式です。

H(X) = -Σ [P(x) * log2(P(x))]

ここで、H(X)は確率分布Xのシャノンエントロピーを表し、P(x)は各イベントxが発生する確率を表します。この式は、確率分布が均一である場合、エントロピーは最大で、情報量が最大であることを示しています。逆に、確率分布が一様でない場合、エントロピーは低く、情報量も低いことを示します。

  • H(X) は確率分布 X のシャノンエントロピーを表します。
  • Σ は合計を計算するための記号で、Σ の後に続く式を全ての可能なイベント x にわたって合計します。
  • P(x) は各イベント x が発生する確率を表します。例えば、サイコロの目が1から6のどれかである確率などです。
  • log2(P(x)) は各イベントの確率P(x)を底が2の対数で計算します。これは情報の量を表します。確率が低いほど情報量が高くなります。
  • P(x) * log2(P(x)) は各イベント x の情報量を計算する部分です。確率に応じて各イベントの情報量が計算されます。
  • 最終的に、すべての可能なイベントにわたって情報量を合計し、それにマイナス符号をかけることで、確率分布全体の平均情報量が計算されます。

シャノンエントロピーの直感的な理解は、確率分布が均一である場合、つまりすべてのイベントが等しい確率で発生する場合、エントロピーは最大になり、情報量が最も高いと言えます。逆に、確率分布が不均一である場合、エントロピーは低くなり、情報量も低くなります。

例えば、公正なコインを投げた場合、表と裏が出る確率は等しいため、エントロピーは高く、情報量も高いです。しかし、不正なサイコロを投げた場合、特定の目が出る確率が高いため、エントロピーは低く、情報量も低いと言えます。

シャノンエントロピーは、情報の不確かさや予測の難しさを数学的に表現するための有用なツールであり、通信や情報理論の分野で情報の効率的な伝送や圧縮などに関連して重要な役割を果たしています。

まとめ

情報量は情報の予測の難しさとその情報の確率的な特性に依存し、シャノンエントロピーを用いて計算することができます。情報理論は、情報の伝送や保存、圧縮、セキュリティなどのさまざまな応用分野で役立っており、情報の量や効率的な処理に関する理解を提供しています。

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