Python PyCurlの基本的な使い方とエラー対処法

PyCurlは、PythonCURLを使用するためのラッパーライブラリであり、HTTP、HTTPSFTPなどのプロトコルを使用してデータを取得することができます。PyCurlはWebスクレイピングやHTTPリクエスト、APIのテストを行うための強力なツールです。この記事では、PythonでPyCurlを使用する方法を解説します。また、実際の例とコードを使用して、PyCurlを使用したHTTPリクエストを行う方法について説明します。さらに、発生する可能性のあるエラーとその対処方法についても説明します。

PyCurlのインストール

まず、PyCurlをインストールする必要があります。PyCurlは、以下のようにpipコマンドを使用してインストールできます。インストール済みの場合は、スキップしてください。

pip install pycurl

PyCurlの利用手順

PyCurlの初期化

次に、curlオブジェクトを初期化する必要があります。これには、pycurl.Curl()メソッドを使用します。

import pycurl

c = pycurl.Curl()

URLの設定

リクエスト先のURLを設定するには、setopt()メソッドを使用します。setopt()メソッドは、Curlオブジェクトに対して特定のオプションを設定するために使用されます。これにより、HTTPリクエストの構成や振る舞いをカスタマイズすることができます。下記のコードでは、HTTPリクエスト先のURLを使用するために、URLのオプションを利用しています。

c.setopt(c.URL, 'https://www.example.com/')

setopt()で指定できるオプション

setopt()メソッドの代表的なオプションを紹介します。

オプション 説明
URL リクエスト先のURLを指定します。
WRITEDATA 取得したデータを書き込む先のファイルやバッファを指定します。
CONNECTTIMEOUT 接続のタイムアウトを設定します。
TIMEOUT 転送のタイムアウトを設定します。
USERAGENT ユーザーエージェント文字列を設定します。
COOKIEFILE クッキーファイルを指定します。
HTTPHEADER 追加のHTTPヘッダーを設定します。
FOLLOWLOCATION リダイレクトを自動的に追跡するかどうかを設定します。
PROXY プロキシを設定します。
SSL_VERIFYPEER SSL証明書の検証を有効または無効にします。
SSL_VERIFYHOST ホスト名のSSL証明書の検証を有効または無効にします。

HTTPリクエストの送信

HTTPリクエストを送信するには、perform()メソッドを使用します。

c.perform()

HTTPレスポンスの取得

HTTPレスポンスを取得するには、getinfo()メソッドを使用します。以下は、HTTPレスポンスを取得する例です。

response_code = c.getinfo(c.RESPONSE_CODE)
response_time = c.getinfo(c.TOTAL_TIME)

getinfo()で取得できる情報

cURLライブラリのgetinfo関数を使用して、リクエストに関するさまざまな情報を取得できます。よく利用される代表的なパラメータを紹介します。

パラメータ 説明
RESPONSE_CODE リクエストが実際に送信されたURLを取得します。
TOTAL_TIME リクエストの総時間を秒単位で取得します。
EFFECTIVE_URL リクエストが実際に送信されたURLを取得します。
TOTAL_TIME リクエストの総時間を秒単位で取得します。
NAMELOOKUP_TIME DNS名前解決にかかった時間を秒単位で取得します。
CONNECT_TIME 接続の確立にかかった時間を秒単位で取得します。
PRETRANSFER_TIME 最初のバイトが送信されるまでの待機時間を秒単位で取得します。
STARTTRANSFER_TIME 最初のバイトが受信されるまでの待機時間を秒単位で取得します。
REDIRECT_TIME リダイレクトにかかった時間を秒単位で取得します。
SIZE_DOWNLOAD ダウンロードされたデータのサイズを取得します。
HEADER_SIZE レスポンスヘッダーのサイズを取得します。
REQUEST_SIZE リクエストヘッダーのサイズを取得します。
SSL_VERIFYRESULT SSL証明書の検証結果を取得します。
CONTENT_LENGTH_DOWNLOAD ダウンロードされるコンテンツの予想サイズを取得します。

PyCurlのクローズ

最後に、curlオブジェクトをクローズする必要があります。これには、close()メソッドを使用します。

c.close()

実例とコード

PyCurlを使用して、Webページからデータを取得するための基本的な例を示します。ここでは、GoogleのホームページにpyCurlでアクセスし、HTMLコンテンツを取得します。

import pycurl

buffer = io.BytesIO()
c = pycurl.Curl()
c.setopt(c.URL, 'https://www.google.com')
c.setopt(c.WRITEDATA, buffer)
c.perform()
c.close()

body = buffer.getvalue()
print(body.decode('iso-8859-1'))

このコードでは、まずio.BytesIOオブジェクトを作成します。これは、CURLが取得したデータを格納するためのバッファーです。pycurlは、データを取得する際にファイルに直接書き込むのではなく、Pythonのファイルライクなオブジェクトに書き込むことができます。この場合、io.BytesIO()を使用してバッファを作成することで、取得したデータをメモリ上に一時的に格納することができます。そして、必要に応じてそのデータを後で処理できます。

次に、pycurl.Curlオブジェクトを作成し、setopt()メソッドを使用してURLとWRITEDATAを設定します。そして、perform()メソッドを呼び出して、リクエストを送信し、バッファーにデータを格納します。最後に、バッファーから取得したデータをデコードし、HTMLコンテンツを出力します。

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発生する可能性のあるエラーとその対応法

PyCurlを使用する際には、以下のようなエラーが発生する可能性があります。

Could not resolve host

pycurl.error: (6, 'Could not resolve host: example.com')

これは、指定されたホストが解決できない場合に発生します。解決するためには、DNSの設定を確認したり、コード内のホスト名をIPアドレスに変更するなどの方法があります。

Failed to connect to example.com port 80: Connection refused

pycurl.error: (7, 'Failed to connect to example.com port 80: Connection refused')

これは、指定されたポートが閉じている場合に発生します。解決するには、別のポートに接続するか、ポートを開く必要があります。

Operation timed out after 1000 milliseconds with 0 bytes received

pycurl.error: (28, 'Operation timed out after 1000 milliseconds with 0 bytes received')

これは、指定されたタイムアウト時間内に応答がない場合に発生します。リクエスト先が正しいことを確認した上で、解決するには、タイムアウト時間を増やす必要があります。タイムアウト時間を増やすにはsetopt()CONNECTTIMEOUTに秒数を指定します。

c.setopt(c.CONNECTTIMEOUT, 30) # 30秒にタイムアウト時間を設定する

Python×APIで動かして学ぶ AI活用プログラミング [ 下山輝昌 ]

Problem with the SSL CA cert

pycurl.error: (77, "Problem with the SSL CA cert (path? access rights?)")

このエラーは、SSL証明書に問題がある場合に発生します。これを修正するには、次のコマンドを実行して、証明書を更新すると修正される場合があります。環境を変更する際は、証明書の更新による影響に注意して実行して下さい。

sudo update-ca-certificates

Failed writing body

pycurl.error: (23, 'Failed writing body (0 != 3897)')

このエラーは、取得したデータを書き込む際に問題が発生した場合に発生します。これを修正するには、バッファーのサイズを増やす必要があります。バッファーを増やす際は、setopt()BUFFERSIZEを大きい値に指定します(指定する値はバイト数)。例えば、先ほど作成したコード例でバッファーサイズを1MBに指定する場合は次のように修正します。

buffer = io.BytesIO()
c = pycurl.Curl()
c.setopt(c.URL, 'https://www.google.com')
c.setopt(c.WRITEDATA, buffer)
c.setopt(c.BUFFERSIZE, 1024000) # 1MB buffer size
c.perform()
c.close()

body = buffer.getvalue()
print(body.decode('iso-8859-1'))

ImportError: pycurl: libcurl link-time ssl backend (openssl) is different from compile-time ssl backend (none/other)

このエラーは、pycurlがリンクされたlibcurlと、コンパイル時に使用されたSSLバックエンド(この場合はOpenSSL)とが異なることを示しています。通常、これはOpenSSLがlibcurlにリンクされていない状況で発生します。このような状況では、libcurlがOpenSSLの機能を利用できないため、SSL関連の機能を使用するpycurlが正常に動作しなくなります。

このエラーを解決するには、pycurlをOpenSSLをリンクしたバージョンで再コンパイルする必要があります。以下のようなコマンドで再インストールを行うことで解決する場合があります。環境を変更する際は、周りの依存関係に注意して実行して下さい。

sudo apt-get install libcurl4-openssl-dev libssl-dev

まとめ

PythonでのPyCurlの使用方法を解説しました。PyCurlを使用することで、HTTP、HTTPSFTPなどのプロトコルを使用してデータを取得することができます。また、実際の例とコードを使用して、PyCurlを使用したHTTPリクエストを行う方法について説明しました。さらに、発生する可能性のあるエラーとその対処方法についても説明しました。これらの情報を使用して、PythonでWebスクレイピングやHTTPリクエストを行う際に、PyCurlを使用することができます。最後にPythonの学習に利用できるUdemy iconのサイトを紹介します。ぜひ活用ください。

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