ブロックチェーンは、分散型データベースとして広く知られています。そして、Pythonは、そのような分散型アプリケーションを構築するための素晴らしい言語です。本記事では、Pythonを使ってブロックチェーンを作成する方法を紹介します。
PyCoinとは?
PyCoinは、Pythonで書かれたブロックチェーンライブラリです。PyCoinは、ブロックチェーンアプリケーションの基本的な機能を提供します。ブロックチェーンのトランザクションの作成、ブロックの作成、マイニング、ブロックチェーンのバリデーションなど、必要な全ての機能がPyCoinに含まれています。
PyCoinのインストール
それでは、PyCoinを使ってブロックチェーンを作成する方法を説明します。まず、必要なライブラリをインストールします。
pip install pycoin
必要なクラスのインポート
関連する必要なクラスをインポートします。
from pycoin.block import Block, BlockHeader from pycoin.networks.registry import network_for_netcode from pycoin.tx import Tx, TxIn, TxOut from pycoin.serialize import b2h, b2h_rev, h2b
ブロックチェーンの初期化
以下のコードで、ブロックチェーンの初期化を行っています。
netcode = "BTC" network = network_for_netcode(netcode) txs = [] prev_block_hash = network.STANDARD_TRANSACTION_HASH block_height = 0 difficulty = network.POW_BLOCK_1_DIFFICULTY blockchain = []
netcode
には、ビットコインのネットワークコード("BTC"など)を指定します。network_for_netcode
関数を使用して、指定されたネットワークに対応するnetworkオブジェクトを作成します。txs
はトランザクションのリストです。prev_block_hash
は前のブロックのハッシュ、block_height
は現在のブロックの高さ、difficulty
は現在のブロックの難易度を表します。blockchain
は、ブロックのチェーンを表す空のリストです。トランザクションの作成以下のコードで、トランザクションの作成を行っています。
トランザクションの作成
以下のコードで、トランザクションの作成を行っています。
tx_in = TxIn.coinbase_tx_in(script=b'') tx_out = TxOut(amount=5000000000, script=network.pay_to_address_script(h2b('1M72Sfpbz1BPpXFHz9m3CdqATR44Jvaydd'))) tx = Tx(version=1, txs_in=[tx_in], txs_out=[tx_out], lock_time=0) txs.append(tx)
トランザクションは、ビットコインネットワークで行われる送金を表すデータ構造です。TxIn
オブジェクトはトランザクションの入力を表し、TxOut
オブジェクトはトランザクションの出力を表します。coinbase_tx_in
関数を使用して、コインベーストランザクションの入力を作成します。amount
には、出力の金額を指定します。script
には、支払い先アドレスを指定します。network.pay_to_address_script
関数を使用して、支払い先アドレスに対応するスクリプトを作成します。最後に、Tx
オブジェクトを作成して、coinbase入力と出力を含め、トランザクションのリストに追加します。
ブロックの作成
次は、作成したトランザクションを含むブロックを作成します。
version = 1 prev_block_hash = blockchain[-1].hash() if blockchain else prev_block_hash timestamp = int(time.time()) bits = difficulty block_header = BlockHeader(version, prev_block_hash, merkle_root, timestamp, bits) coinbase_tx = txs[0] transactions = txs[1:] block = Block(block_header, [coinbase_tx] + transactions)
ここで、ブロックヘッダーに必要な情報を提供し、coinbaseトランザクションと、その他のトランザクションをブロックに含めます。
マイニングを行う
次に、マイニングを行います。マイニングとは、ブロックを生成するために必要なプロセスで、ハッシュ値を生成することにより、ブロックが有効であることを証明することです。
while True: block.nonce += 1 if block.header_hash() < bits_to_target(block.bits()): break
ここでは、ブロックのハッシュ値が、設定された難易度よりも小さいかどうかを確認し、小さい場合はマイニングを成功と判断します。そのため、nonce(ランダムな値)を加算し、ハッシュ値を計算することを繰り返します。
ブロックチェーンの保存
最後に、作成したブロックをブロックチェーンに追加し、ブロックチェーンを保存します。
blockchain.append(block) with open('blockchain.dat', 'wb') as f: f.write(b2h(blockchain.serialize()))
まとめ
以上が、Pythonでのブロックチェーンの応用、PyCoinを使ってブロックチェーンを作成する方法の全体的な流れです。これを応用して、より複雑なブロックチェーンアプリケーションを開発することができます。Pythonを利用したブロックチェーンシステム開発は下記のサイトで勉強することができます。