ダイクストラ法は、グラフ理論における最短経路問題を解くアルゴリズムの一つです。最短経路問題とは、ある始点から終点までの最短距離を求める問題であり、例えば道路網の最短ルートや、電気回路の最短経路などで応用されます。
ダイクストラ法について
ダイクストラ法は、1970年にオランダのコンピュータ科学者エッドガー・ダイクストラによって考案されました。彼は、当時のオランダ国内にある道路網の最短経路問題を解決するためにこのアルゴリズムを開発しました。
ダイクストラ法は、ノード(頂点)とエッジ(辺)からなるグラフ上で、ある始点から他のすべての点への最短経路を求めることができます。具体的な手順は以下の通りです。
- 始点を決定する
- 始点から直接繋がっているノードの距離を計算する
- 距離が最小のノードを選択する
- 選択したノードと直接繋がっているノードの距離を計算する
- 距離が現在の距離よりも短い場合は、距離を更新する
- すべてのノードを探索するまで、3-5の手順を繰り返す
ここで、ノード間の距離は、エッジの重み(コスト)として表現されます。重みが小さいエッジほど、その経路がより最短となります。
ダイクストラ法の具体例
例えば、以下のようなグラフがあったとします。
5 9 A --- B --- C --- D \ | | | \ 2 | 3 | 7 | 3 \ | | | --- E --- F --- G 1 5
このグラフで、始点をAとすると、各ノードまでの最短距離は以下の通りになります。
- A -> B : 5
- A -> E : 2
- B -> C : 7
- B -> E : 4
- C -> D : 10
- C -> F : 9
- C -> G : 12
- D -> G : 15
- E -> F : 5
- F -> G : 8
このように、ダイクストラ法を使うことで、グラフ上で最短経路を求めることができます。 ダイクストラ法は、迷路を解く際に右手法を使うのと似ています。つまり、スタート地点から出発して、常に「今いる場所から一番近い道を進む」ことを繰り返して、ゴールにたどり着くという方法です。
まとめ
ダイクストラ法が便利なのは、各ノードまでの最短距離を求めるだけでなく、最短経路自体も求めることができるという点です。最短経路を求めるには、探索過程で前のノードを覚えておくことが必要です。
ダイクストラ法は、優れたアルゴリズムである一方、計算量が多く、ノード数が多いグラフの場合は計算時間がかかってしまいます。しかし、最短経路を求めるための基本的なアルゴリズムとして、学習することは非常に重要です。