Pythonは多様なデータ型をサポートしており、それぞれ異なる目的や特徴を持っています。以下でPythonで利用できる主なデータ型を解説します。
1. 数値型 (Numeric types)
Pythonには3つの主要な数値型があります。
int (整数型)
intは整数値を表現するために使用されます。例えば、次のように使用できます。
x = 5 print(type(x)) # <class 'int'>
float (浮動小数点数型)
floatは実数を表現するために使用されます。例えば、次のように使用できます。
x = 3.14 print(type(x)) # <class 'float'>
complex (複素数型)
complexは複素数を表現するために使用されます。複素数は実数部分と虚数部分から構成されます。例えば、次のように使用できます。
x = 2 + 3j print(type(x)) # <class 'complex'>
2. 文字列型 (String types)
Pythonでは文字列型はstrとして知られています。文字列は文字、数字、または記号のシーケンスです。Pythonで文字列を定義するには、引用符('または")を使用します。例えば、次のように使用できます。
x = "Hello, World!" print(type(x)) # <class 'str'>
3. 真偽型 (Boolean types)
Pythonには1つの真偽型があります。
bool (真偽値型)
boolは真偽値を表現するために使用されます。TrueとFalseという2つの値のみを持ちます。例えば、次のように使用できます。
x = True print(type(x)) # <class 'bool'>
4. シーケンス型 (Sequence types)
Pythonには3つの主要なシーケンス型があります。
list (リスト型)
listは要素のリストを表現するために使用されます。リストは角かっこ[]で囲まれ、カンマで区切られた要素のリストです。例えば、次のように使用できます。
x = [1, 2, 3, 4, 5] print(type(x)) # <class 'list'>
tuple (タプル型)
tupleはlistと似ていますが、角かっこ[]ではなく丸かっこ()で囲まれます。tupleは不変のシーケンスです。例えば、次のように使用できます。
x = (1, 2, 3, 4, 5) print(type(x)) # <class 'tuple'>
range (範囲型)
rangeは整数のシーケンスを生成するために使用されます。range()関数は引数を取り、指定された範囲の整数のシーケンスを生成します。例えば、次のように使用できます。
x = range(5) print(type(x)) # <class 'range'> print(list(x)) # [0, 1, 2, 3, 4]
5. マッピング型 (Mapping types)
dict (辞書型)
dictはキーと値のペアを表現するために使用されます。辞書は波かっこ{}で囲まれ、キーと値はコロン:で区切られます。例えば、次のように使用できます。
x = {"apple": 1, "banana": 2, "cherry": 3} print(type(x)) # <class 'dict'>
6. 集合型 (Set types)
Pythonには2つの主要な集合型があります。
set (集合型)
setは要素の集合を表現するために使用されます。集合は波かっこ{}で囲まれ、カンマで区切られた要素のリストです。例えば、次のように使用できます。
x = {1, 2, 3, 4, 5} print(type(x)) # <class 'set'>
frozenset (不変集合型)
frozensetはsetと似ていますが、不変の集合です。例えば、次のように使用できます。
x = frozenset({1, 2, 3, 4, 5}) print(type(x)) # <class 'frozenset'>
7. バイトシーケンス型 (Binary sequence types)
Pythonには3つの主要なバイトシーケンス型があります。
bytes (バイト列型)
bytesはバイトのシーケンスを表現するために使用されます。bytesはバイト値のリストで構成されます。例えば、次のように使用できます。
x = b"hello" print(type(x)) # <class 'bytes'>
bytearray (バイト配列型)
bytearrayはbytesと似ていますが、可変のシーケンスです。例えば、次のように使用できます。
x = bytearray(b"hello") print(type(x)) # <class 'bytearray'>
memoryview (メモリビュー型)
memoryviewはbytes、bytearray、または別のmemoryviewオブジェクトのメモリ上のビューを提供するために使用されます。例えば、次のように使用できます。
x = memoryview(b"hello") print(type(x)) # <class 'memoryview'>
以上がPythonで利用できる主要なデータ型の解説です。これらのデータ型は、Pythonプログラミングで非常に重要であり、多くの異なる場面で使用されます。